2010/04/02

近況報告 2/2

前回の記事の続きです。

マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)
生田 耕作

角川書店 1976-02
売り上げランキング : 161626
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

正直、クリスマスキャロルの次にバタイユさんを見るべきではありませんでした。『マダム・エドワルダ』はまだなんとか理解できた、読めたんですけど、『目玉の話(眼球譚)』はもう完全においてけぼりをくらいました。なんだこれは。なんていうかもう、すごい。さすが嫁に読んでほしくない作品ベスト5にランクインするだけはあるみたいな感じでした。ごめんなさい。ちょっと今の自分には理解できなかったです。

これは思春期に読ませると絶対悪影響が出る本。間違いない。

地下室の手記(光文社古典新訳文庫)地下室の手記(光文社古典新訳文庫)
安岡 治子

光文社 2007-05-10
売り上げランキング : 133420
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

ドフトエフスキーが面白かったので、次も攻めていこうと思った作品。古典とは思えないほど新鮮なテーマを扱っており、非常に面白く読める作品でした。何が新鮮かっていうと、現代におけるひきこもり問題や閉鎖的な人間関係、風潮を、150年も前に捉えてその心理状況を細かく描写しているという点が新鮮。自意識過剰な学生にぜひ読んでもらいたい小説。自分も少なからずそういう面がありましたので、なかなか参考になりました。うーん

遺産相続ゲーム―地獄の喜劇 (岩波現代文庫)遺産相続ゲーム―地獄の喜劇 (岩波現代文庫)
Michael Ende

岩波書店 2008-10-16
売り上げランキング : 83802
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools
鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)
Michael Ende

岩波書店 2001-01
売り上げランキング : 15666
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

最後にこの2冊を読んで終了。ミヒャエル・エンデは中学生のころから大好きで、今思えば自分の性格の形成に重要な役割を果たしていた作家でした。遺産相続ゲームは前々から読んでみたかった作品で、現代における社会問題をうまく劇の中に暗喩として組み込んだ戯曲です。メモを取りながら楽しく読ませていただきましたが、強いて言うなら冒頭の筆者の言い訳と最後の作者ノートはいらなかったんじゃ無いかなという気がします。だってこれのおかげで考える楽しみが半減してしまったんですよ。それはそれで答え合わせのようで楽しんだ部分もあるんですけど…
最後の鏡の中の鏡はこれで3度目です。今思うと、この作品って宗教やら資本主義やら現代社会やらの皮肉が多分に込められた作品だったんですね。中学、高校のときはそういう意図に全く気づかず、なんか雰囲気が不思議で面白いなぁとか情景描写が独特だなぁとか、そういった感覚で読んでいたような気がします。うーん、これは成長なのか、それとも純粋に楽しめなくなったのか、どうなんでしょう。

というかこれ、いま思ったら読んではいけない毒書小説の内3冊も読んでるじゃないですか。うわーだめだこりゃ。でも面白かったから、それはそれでいいか。

よーし、これで貴重な春休みが終わったので、いまんところはマクロ経済とミクロ経済を攻めていきたいと考えています。とにかく大学のうちは選り好みしないで、いろんなものに手を出してみたいです。はい。

追記(4/4)
あ、思ったんですけど、こーいった類の、いわゆる古典ってやつは、回りの知人や教授なんかと話をしていかないと、本当に本質が掴めずに訳わかんないまま終わります。普通の小説を読んでいく感じで読み進んでしまうと、ただ長ったらしい割に展開が薄く、つまんねーとか思ってしまうので注意。カラマーゾフの兄弟なんてあれ自分一人じゃ絶対に気づかないだろって箇所が何個もありました。本当に、せめてあれだけは、一人で読むことをお勧めしません。

0 件のコメント: